真っ先に考えたのはデスクトップでずっと使っているubuntuだったんですが、これまたXenサポートは非常に弱い感じ。9.04になってDom0サポートはなくなったっぽいし、DomUも公式カーネルだとネットワークに不具合があるし。(これは9.04で直ったのかな…チェックしてないな)
んで、どうせ使い道はサーバ用途。鉄板のCentOSで試してみるか…とやってみたら、これがものすごい簡単に構築できてびっくりしました。CentOSってDom0もDomUもしっかりサポートされてるんですね。と言うわけで、構築手順のメモ。
まずはDom0側。普通にCentOSをインストールすればいいんですが、DomU用にディスクを残しておきたいので、パーティションの設定時に / が使うLVのサイズを小さくしておいてください。(デフォルトだと残りサイズ全部割り当ててしまう) アップデートなど行った後、Dom0に必要な xen と kernel-xen をインストールします。
yum install xen kernel-xen
続いて起動時に xenblk が読み込まれるよう、以下のコマンドを入力します。(modprobe.confにxenblkモジュールを読み込むためのエントリを追加しています)
echo alias scsi_hostadapter xenblk >> /etc/modprobe.conf
さらにXen対応のカーネルが使えるように、カーネルの設定ファイルである /etc/sysconfig/kernel を以下のとおり修正します。
DEFAULTKERNEL=kernel
↓ 修正
DEFAULTKERNEL=kernel-xen
↓ 修正
DEFAULTKERNEL=kernel-xen
これでDom0の準備は完了です。(簡単ですね!)
あとは再起動すればXenの環境で上がってくるのですが、単純な再起動だと今使ってるカーネルのまま立ち上がってしまいます。grubのメニューから起動するカーネルを選べる方は問題ありませんが、私のように実機にキーボードもディスプレイも付けてない人だと困ってしまうので、ここは思い切ってデフォルトで起動するカーネルをXenのカーネルに切り替えてしまいましょう。修正するのは /boot/grub/grub.conf の以下の1行です。
default=1
↓ 修正
default=0
↓ 修正
default=0
再起動したら、uname -r で使っているカーネルを確認してみましょう。
# uname -r
2.6.18-128.1.16.el5xen
2.6.18-128.1.16.el5xen
カーネル名の最後にxenが付いてれば成功です。
続いてDomU側。これは以前に書いたCentOS on Gentooを参考にしつつ行きます。
まずはファイルシステムの作成。分かりやすさを考えて、Dom0のLV=DomUのディスクとし、1つのディスクは1つのパーティションしか持たないような構成にしました。最低限必要な構成として、/ に6GB、/boot に128MB、swap に512MBという3つのパーティションを作成します。
lvcreate -L6G -ndomU01_root VolGroup00
lvcreate -L128M -ndomU01_boot VolGroup00
lvcreate -L512M -ndomU01_swap VolGroup00
lvcreate -L128M -ndomU01_boot VolGroup00
lvcreate -L512M -ndomU01_swap VolGroup00
この時、環境によっては、
/dev/hda: open failed: No medium found
というメッセージが出るかも知れません。その場合は /etc/lvm/lvm.conf を以下のとおり修正します。
filter = [ "a/.*/" ]
↓ コメントアウトする
# filter = [ "a/.*/" ]
# filter = [ "r|/dev/cdrom|" ]
↓ コメントを外す
filter = [ "r|/dev/cdrom|" ]
↓ コメントアウトする
# filter = [ "a/.*/" ]
# filter = [ "r|/dev/cdrom|" ]
↓ コメントを外す
filter = [ "r|/dev/cdrom|" ]
修正が完了したら以下のコマンドを実行します。
vgscan
これで該当メッセージが出なくなるはずです。
DomU用のLVが完成したら、いよいよインストールです。確保するメモリを256MB、DomUの名前を domU_01 とすると、インストールコマンドは以下のとおりです。
virt-install -n domU_01 -r 256 -f /dev/VolGroup00/domU01_boot -f /dev/VolGroup00/domU01_swap -f /dev/VolGroup00/domU01_root -b xenbr0 -p --nographics -l http://ftp.iij.ad.jp/pub/linux/centos/5/os/i386/
普通にテキストインストールするのと同じインストーラが実行されるので、よしなにインストールしてください。grubとか普通にインストールしちゃって大丈夫です。(あくまでDomUのディスク上にインストールされるので) あ、パーティション構成だけは手動で行うようにしてください。でないとせっかく専用のディスク(=Dom0のLV)を定義したのに、まとめてLVMの領域にされちゃうので。("Create Custom Layout"を選択するとうまく行くと思います)
インストールが完了したらリブートします。OSの初回起動時に"Setup Agent"なるものが起動しますが、どれも実行せずにexitしてください。実行してしまうとツール自身を終了できずに後続処理が行えなくなってしまいます。(私の環境固有の問題かも知れませんが…)
−追記:2009/07/08−
Setup Agentがおかしくなるのは私が作業に使っていたターミナル(Poderosa 3.0)固有の問題みたいです。gnome-terminalから作業したら問題なく継続することが出来ました。
−追記ここまで−
これでお終い。
以下のサイトの情報を参考にさせていただきました。
(ありがとうございました!)
仮想マシン構築(Xen) - CentOSで自宅サーバー構築
http://centossrv.com/xen.shtml
「/dev/hdc: open failed: No medium found」が表示される:気ままな日記:So-net blog
http://gokun7.blog.so-net.ne.jp/2008-11-20